ラーニングフルエイジング プロジェクト - 高齢化社会に向けた学びの可能性

ワークショップ
開催日:2015年10月16日

第1回 百草すこやかカフェ

日野市と多摩市にまたがる百草団地にて、「百草すこやかカフェ」の第1回を開催いたしました。

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テーマは「家庭医とかかりつけ医の効用」として、家庭医であり、カフェ型コミュニケーション「みんくるカフェ」を主宰する孫がファシリテーターを務めました。「百草すこやかカフェ」は、百草に集う市民の方と医療の専門家や研究者が、お茶を飲みながら、気軽に楽しく健康のことについて話を聞いたり、考えたりする学びの場です。

百草団地は高齢化率が30〜40%と高くなっており、若い人がかなり少なくなっています。また団地内の内科医院が最近閉鎖されたこともあって、医療に対する不安の声が高まっているようでした。私から、かかりつけ医を持つと多剤内服を減らせることや、個人に合わせた健診・検診ができることの利点を話した後、後半は参加者でテーブルごとに対話を行いました。「認知症になりたくない」、「がん検診はどのくらいの頻度で必要?」、「病気と二人三脚で行きたい」、「サロンに毎日来るのが楽しみ」、「食事や趣味などで自分なりの健康法を」などの声が聞かれました。対話から、団地の方々が医療に頼らず自分なりの健康づくりを意識していること、サロンでの交流を楽しみにしていることなどが伺えました。

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アンケートからは、「大病をしても前向きに明るく過ごす大切さを学んだ」、「一人一人が自分の健康に関心を持つことが必要と感じた」、「大きな総合病院に行く前に地元にかかりつけ医を見つけることの大事さが良くわかった」などの気づきが述べられていました。

〔東京大学医学教育国際研究センター講師 孫 大輔〕


本ワークショップは、JST-RISTEX「持続可能な多世代共創社会のデザイン」研究開発領域 平成27年度採択プロジェクト企画調査「多世代で共に創る学習プログラム開発の検討」(研究代表者:森 玲奈 帝京大学高等教育開発センター 講師)の一環として開催しました。