ラーニングフルエイジング プロジェクト - 高齢化社会に向けた学びの可能性

ワークショップ
開催日:2016年1月9日

第3回 はじめての演劇

年が明け、2016年になりました。今年も百草ふれあいサロンでは多数のワークショップが開催されます。今回のはじめての演劇ではNPO法人 演劇百貨店の柏木陽さんをお招きし、「今と昔のお正月」をテーマにワークショップを行いました。

 

演劇はまず「真似」から始まる

写真① 百草ふれあいサロンで柏木さんがワークショップを行うのは今回で2回目。前回同様、まずは柏木さんの手の動きを真似することから始めます。この「誰かの動きの真似をする」という動作が、演劇にとってはとても重要なのだそうです。

自己紹介という名のモノローグ

写真②

今回の自己紹介では「今年のお正月にあったこと」を伺いました。サロンの方々の語りは、いつもドラマを感じさせてくれます。「私には特に何もありませんが…」という前置きと共に語り始めますが、彼らが積み上げてきた年月の重さと深さが、その短い自己紹介からも十分に感じ取れるのです。

『自分にとっては、毎日が正月で、毎日が大晦日。(息子の)別れた嫁と孫といつもの神社にお参りに行った。お参りの後、朝から3人でワインを飲んだのよ。』

『昔はお寺さんに行っていたが、今年はどこにも行かなかった。体の調子は良くないが、あと4、5年は生きれるかなぁと思ってる。自分は81になるが、死んでいく親友は皆、いい奴ばかりだった。』

彼らは僕らより60回だけ多く正月を経験している

写真③

自己紹介の後、「昔あったが今は見られない年末年始やお正月の風習は?」という問いで語り合い、その中で出たアイデアをチームごとにジェスチャーで表現してみるというワークを行いました。

20代と80代が共に語り合うと、「昔」の定義は60年分違います。その生きてきた年数の違いを繋ぎ止めてくれる「お正月」という行事に、私はとても感謝しました。柏木さん、お集まり頂いた参加者の皆さま、どうもありがとうございました。

和泉ワークショップデザイン事務所:和泉裕之〕


本ワークショップは、JST-RISTEX「持続可能な多世代共創社会のデザイン」研究開発領域 平成27年度採択プロジェクト企画調査「多世代で共に創る学習プログラム開発の検討」(研究代表者:森 玲奈 帝京大学高等教育開発センター 講師)の一環として開催しました。