10月21日土曜日、「百草団地ふれあいサロンにおけるワークショップ実践」が終了しました。
今回は、
今回のワークショップの目的
住まい環境としてのまちの魅力を発見することが目的です。どんなまちにも、そのまちの財産になり得る特徴がある。百草団地区域ではそれが何なのか、個人の主観でいいと感じた場所や風景、機能等を、各自自由にまちを散策することを通じて見つけ共有することにより、まちの魅力を視覚化することが今回のワークショップの目的です。
当日は、
石川奈津美さん
石川さんは、2011年から福島県から都心に避難している被災者の小学生と家族向けに、まち歩きワークショップを提供するなど、子どもの教育に関する実践をされてきました。現在はNPO法人みらい創造舎の代表理事として活動されています。
フィールドワークの様子
事前に自己紹介やワークショップの目的を説明されたあと、フィールドワークは「25分間で“お宝スポット”を10個発掘せよ」というミッションのもとで大学生10人それぞれが百草団地内での財産になり得る団地の特徴(通称お宝スポット)を探すという形で行われました。10人とも目の付け所が違うのでフィールドワーク後の見つけたポイントの発表は大変盛り上がりました。意見として多かったのは団地の敷地内に多数見受けられた「公園の遊具」や「歩道のベンチ」等です。また「保育園の壁一面に書かれた似顔絵」や「ショッピングセンターのアンパンマンが描かれた壁画」等、文化資産を上げる参加者もおり様々な意見がありました。男子大学生は、「そば屋」や「洋食屋のナポリタン」など、食に関する場所や商品等挙げる様子が見られ、人によっては食の充実が特に重要なポイントを占めることがわかりました。
ワークショップを終えて
学生たちのなかに団地で生まれ育った背景がある人間が1人もいなかったこともあり、学生たちは団地でのフィールドワークには新鮮な印象を持っていました。団地にお住まいの方には団地の居住者および移住者の減少が悩んでいる方もおり、団地のよいところを見つけるという意味で大学生の視点は役立つのではないでしょうか。住民にとって当たり前のことでも近隣の大学生の立場からすれば魅力的なポイントはあります。今回のワークショップによりまちの魅力的な点について大学生たちで共有されていることは、今後の高齢者の方たちとの相互的な活動のためにもなりますし、今後それぞれの世代が一体となり多世代でのつながりとふれあいのもとになればと思います。
■研究担当者:
帝京大学高等教育開発センター講師/東京大学大学院情報学環客員研究員 森玲奈
http://www.harinezuminomori.net/
■ワークショップ企画運営者:
NPO法人みらい創造舎・代表 石川奈津美