ラーニングフルエイジング プロジェクト - 高齢化社会に向けた学びの可能性

ワークショップ
開催日:2016年1月23日

第2回 百草すこやかカフェ「くすりとの賢いつきあい方」

くすりは人の病気を治す一方、副作用を引き起こす恐れもあります。薬剤師や医師と信頼関係を築くことが、くすりと賢くつきあう秘訣です。

今回の百草すこやかカフェでは薬剤師の鈴木邦子さん、患医ネット株式会社・代表取締役の鈴木信行さんをお招きし、漢字ワークショップを開催しました。

 

【薬剤師と以心伝心】

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鈴木邦子さんは、地域を自転車で回る薬剤師。患者さんからは「くにちゃん」という愛称で親しまれています。受診困難な在宅患者さんのもとに出向いて、くすりの量や副作用の有無についてコミュニケーションをとりながら、くすりを届けます。

くすりは、時として胃の不快感やかゆみと言った副作用をもたらします。こうした症状を伝えずに薬剤師がくすりを調合すると、副作用が悪化する危険もあります。そのため薬剤師と患者さんとのコミュニケーションは欠かせません。

鈴木邦子薬剤師のお話の後は、漢字一字に要約ワークショップ。

・伝えるの「伝」

・相談や相性の「相」

・親切、親しみの「親」

などの漢字が目立ちました。当初、薬剤師に不信感を抱いていた参加者もいましたが「もっと相談しよう」と感想を述べた場面もありました。まるで鈴木邦子薬剤師と百草住民の間で信頼感が芽生えたかのような光景でした。

 

【お薬手帳でコミュニケーション】

医療の主役は、患者さんです。大切なのは「自分がこの病気をどうしたいのか?」という意思です。そう伝えたのは患医ネット株式会社・代表取締役の鈴木信行さんでした。信行さんは、がんを乗り越えた経験もあり、現在は「患者参加型の医療」を目指しています。

医師に任せきりの医療ではなく「旅行に行きたいので病気を治したいです」「副作用がつらいので薬を減らしたいです」と具体的な希望やその理由を簡潔に伝えることが患者参加型医療の特徴です。

しかし口では伝えきれない事もあります。そこでお薬手帳が功を奏します。手帳には自分の病気のこと、その日の体調、くすりの副作用などを書いて医療者と意思疎通を図ることもできます。ワークショップ中、百草住民の一人がお薬手帳を取り出し、ほかの住民に見せていました。「咳がとまらない」「副作用が起きる」など詳細に記録されたお薬手帳は、住民の関心を集めていました。

〔帝京大学四年生 山田淳史〕


本ワークショップは、JST-RISTEX「持続可能な多世代共創社会のデザイン」研究開発領域 平成27年度採択プロジェクト企画調査「多世代で共に創る学習プログラム開発の検討」(研究代表者:森 玲奈 帝京大学高等教育開発センター 講師)の一環として開催しました。