【文献紹介】⑲ 中山和弘・岩本貴編(2012)「患者中心の意思決定支援:納得して決めるためのケア」中央法規出版
本書は、医療分野における、患者や家族の「意思決定支援」をテーマとして、患者中心の意思決定のための情報共有やコミュニケーションを支援する方法を紹介したものです。がん医療における医療コーディネーターによる支援、胃ろうの際の代理意思決定、リハビリテーションにおけるiPadアプリを活用した支援等、日本における先駆的な事例が取り上げられています。
ICTの発展により、専門的な情報や当事者の体験談等、私たちは膨大な情報を得ることが可能になりました。そこで課題となるのは、いかに自分に必要な情報を選択していくかということです。患者がどのような意思を持っているかによって、医療の専門家の関わり方は変わります。本書は、専門家とは何か、専門家が専門家でない人とどのように関われるのか、ということを考える一助となります。
<目次>
第1章 医療における意思決定支援とは何か(中山和弘)
第2章 医療コーディネーターによる意思決定支援(岩本貴、岩本ゆり)
第3章 高齢者医療における代理意思決定とその支援(倉岡(野田)有美子)
第4章 小児医療における代理意思決定とその支援(小泉麗)
第5章 リプロダクティブヘルスにおける意思決定支援(有森直子)
第6章 リハビリテーションにおける意思決定支援ソフトの活用(友利幸之介)
第7章 意思決定のための資源とその活用(瀬戸山陽子)
〔文責:園部友里恵〕